2022.04.09
温泉ソムリエコラム 〜温泉とは?〜
こんにちは。温泉ソムリエアンバサダーの今村ゆきこです。
温泉の知識と正しい入浴技術を学んだ温泉ソムリエが、みなさんに「もっと」温泉を楽しんでいただけるような豆知識をご紹介している「温泉ソムリエコラム」。
今回は、基本に立ち戻り
温泉とは?泉質名って?について、お話しさせていただきます。
そもそも、温泉って何だろう?
「温泉」ってどんな定義付けがされているかご存知ですか?
まずは、「地中から湧いていること」が大前提です。
さらに、
●源泉温度が25℃以上あること
または、
●溶存物質の総量、リチウムイオン、水素イオンなど、含有成分に関する19の特定の条件のうち1つ以上規定値に達しているもの
この2つのいずれかを満たしていると「温泉」ということです。
温度は分かりやすいのですが、成分はとても分かりにくいですよね。
さらに、みなさんがよく聞かれる「泉質名」がつくためには、
●源泉温度が25℃以上あること
または、
●「溶存物質の総量」や「硫黄・二酸化炭素(遊離炭酸)」など含有成分が1つ以上規定値に達していること
のいずれかが必要になってきます。
「ん?源泉温度が25℃以上あることはどちらも共通なんだ?」
そう思われた方は素晴らしい!
そうなんです。
源泉温度が25℃あれば、指定の成分が規定値に達していなくても泉質名がつくんです。
地中を100m掘るごとに地下水の温度は2〜3℃前後上昇すると言われているので、1000mほどから湧出した地下水は25℃以上になっていることが多く、「温泉」に定義付けされ、その多くが「単純温泉」という泉質名がつきます。
掘削技術の進化で、1000mの掘削が可能になっている現在。都心部でも温泉地が誕生し、日本はまさに温泉大国になっているのです。
泉質名って何を意味するの?
「単純温泉」の他にも、「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「二酸化炭素泉」「含鉄泉」「硫黄泉」「酸性泉」「放射能泉」「含よう素泉」と、全部で10種類もある泉質名。
泉質名は、その温泉がどんな作用をもたらすのか?を理解するヒントになるので、
このそれぞれの特徴を知ってから入浴すると、「あ〜、この温泉は肌にこんな作用が期待できるんだ〜」と感じながら(即効性はありませんが)湯あみが楽しめるので、おすすめです。
※温泉成分は薬理効果をうたえない為、「見込める」「期待できる」という表現をします。
そのためにも、浴室への掲示が義務化されている「温泉分析書」を、入浴の際にはぜひ見てみましょう。
「白金の森」にある「黄金の湯」の温泉分析書です
そうは言っても、これのどこを見ればいいの?と思われる方がほとんどだと思います。私も、いまだにテキストと照らし合わせないと、読み解けません…。
まずは、分析書のしたの方に書いてある「6.泉質」を見てみてください。
泉質名が書いてありませんか?
その中に、
「単純温泉」「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「二酸化炭素泉」「含鉄泉」「硫黄泉」「酸性泉」「放射能泉」「含よう素泉」
このいずれかが書いてあるのでチェックしてみてください。
(複数書いてあることもあります)
「泉質名」が分かったら、次はそれぞれの特徴と照らし合わせてみましょう。
次回の温泉ソムリエコラムでは、泉質ごとの特徴をご紹介いたします。