2020.10.01
vol.6西山日佐代さん _Nishiyama hisayo
「自分で作った野菜は、何を使って育てたか明確だから、安心して食べられます。忙しい毎日とこの野菜のおかげで、84歳の今でも元気いっぱいです」
西山日佐代さんprofile
農家の家に生まれ、光徳さん(写真右)と結婚。61年間、二人三脚、農家一筋でたくさんの野菜を作ってきた西山さんご夫婦。休日には、ドライブ好きのご主人と一緒に、あちらこちらへお出かけ。「こないだは天草で魚をいっぱい食べてきたよ」とラブラブです。
今回ご紹介するのは、地元の学校給食や「コッコファームたまご庵」などに野菜を卸されている西山日佐代さんです。
笑顔が素敵な日佐代さんは、なんと84歳!
現役で畑仕事をしているパワフルな生産者さんというから、野菜作りにかけた思いと同時に、元気の秘訣も探ります。
写真は、2カ所ある里芋畑のひとつ。
連作障害があることから、同じ場所で連続して作ることができないのが特徴。
「4〜5年はあけないと、病害虫にやられてしまうとよ」
そこで日佐代さんは、水田を利用して、お米→里芋→お米といった具合で、畑を点々と移動しています。
里芋といっても、実は種類が色々あるそうで、
セレベス、石川早生、海老芋、京芋、土垂(どだれ)、八頭……といった感じ。
海老芋は、高森の田楽で使われている里芋なのでかろうじて……
その他は、聞いたことがない名前ばかりです。
この中で、日佐代さんが作られているのは、赤芽大吉、白芽大吉、蓮葉(はすば)、
石川早生という品種ということで、詳しく聞いてみました。
赤芽大吉
一般的に「赤芋」と呼ばれている品種。赤芽大吉は茎が赤いので覚えたらすぐに分かりますね。
11月から12月に旬を迎え、一般的には子芋を食べるのですが、親芋も食べることができます。
石川早生
8月から9月に収穫される里芋の早生種。他の種類より早めに収穫される品種です。
適度な粘り気があり、ご主人は「茹でたら皮がつるんとむけるけん、
中身をマヨネーズや醤油につけて食べれば、酒のつまみになるばい」と教えてくださいました。
ちなみに、夕食は日佐代さんが作られますが、酒のつまみは、ご主人が担当するという分業制。
食べることが大好きなお二人。作る野菜が美味しい理由は、ここにあるのかもしれません。
水で土を流したら、色白美人な里芋が顔を出しました。
日佐代さんの里芋は、この「色白」が特徴です。
菊池の土が、里芋栽培に適した真土であること。
さらに、元々、湿地に自生していたことからも水分を好む里芋は、
竜門ダムから届く美味しい水をたっぷり吸収して成長します。
恵まれた土壌で育つことから、色白美人な里芋が収穫できるようです。
「イチゴもあるから見ていくね〜」と案内された先には、
たくさんの苗が並んでいました。
一株一株、余分な葉を取り除く「葉かき」という作業を行います。
定植はこれから。家族総出で行い、11月には収穫です。
違うハウスには、地這いキュウリが。よく見かける支柱栽培に比べて病害虫が発生しにくく、
台風の多い時期にも倒れる心配がないという利点があるようです。
キュウリの赤ちゃん。
お米も作られています。
「野菜を卸すときに『野菜の履歴書』が必要なのは知っているかい?
作物ごとに、どんな肥料を与えたか、消毒をしたか、履歴書が必要なんです。
安心安全な食が注目されてきたここ数年、とても厳しくなったんですよ。
だから、キチンと約束事を守って、自分自身で育てた野菜は、自信を持って出せるんです」。
毎日畑で体を動かし、自分たちが作った野菜を食べている日佐代さん。
休日にもご主人とお出かけしてリフレッシュも欠かしません。
元気の秘訣は、よく食べて、よく動くこと。
日佐代さんを見習って、健康な毎日を送りたいものです。
最後に、西山さんからメッセージをいただきました。
「大変なことも多いですが、手をかけて栽培した作物を収穫する時が一番の楽しみです」。
長年、農業を続けてこられた要因はまさにこの一言によるものかもしれません。
●このコラムは、2020年9月16日現在の情報を元に作成しております。
●西山日佐代さんの商品は、「コッコファーム たまご庵」で購入可能です。